【漢方解説】不正性器出血と漢方

本日の漢方的な考え方で解説する症状は、

 

【不正性器出血】

 

 

こんにちは、ご覧下さりありがとうございます。

店主の安福です。

 

本日の漢方的な考え方で解説する症状は、

『不正性器出血』です。

 

 

不正性器出血とは、月経や妊娠・産褥期などの生理的な出血とは異なります。

そのような生理的な場合以外の時に発生する、性器からの出血のことをいいます。

 

医学的に不正性器出血は、その原因により、「器質的な疾患による出血」と「機能性子宮出血」に分けられます。

 

「器質的な疾患による出血」とは、腫瘍や外傷、炎症などの病変が子宮にあるため、発生する出血のことをいいます。

また、「機能性子宮出血」とは、「器質的な疾患による出血」が否定された場合に引き起こされる出血のことと定義されています。

 

ただ、不正性器出血には、悪性腫瘍などの重篤な疾患を原因とするものや、または妊娠による出血の可能性もあります。

そのため症状によっては、漢方治療を始めるより先に、まずは医療機関での診断をおすすめすることがあります。

 

 

さて、漢方理論での不正性器出血は、「崩漏(ほうろう)」という疾患に当たります。

 

「崩」は大量の出血のことをいい、「漏」は少量の出血のことをいいます。

交互に現れることも多いため、合わせて漢方理論では「崩漏」といわれております。

 

この「崩漏」が引き起こされる原因には、漢方理論において、主に4つのものがあると考えられております。

その4つとは、「血熱(けつねつ)」・「腎虚(じんきょ)」・「脾虚(ひきょ)」・「瘀血(おけつ)」という原因になります。

 

1つめの「血熱」とは、外部から体内に熱を過剰に与える、「熱邪」という邪気に襲われることを要因の1つとします。

または、過食やストレスなどによる身体内部の要因によって、体内に熱がこもってしまった場合に引き起こされるとも考えられています。

のぼせると鼻血等の出血がしやすくなるのと同じように、子宮からの出血も起こりやすくなると考えます。

 

2つめの「腎虚」とは、漢方理論における「腎(じん)」という機能が衰えている状態のことをいいます。

漢方でこの「腎」という機能は、単に臓器である「腎臓」としての働きだけを示すものではなく、人体の生長や発育、生殖にも関わっているものとしています。

生殖にも関わっていると考えますので、この機能が衰えると、結果、子宮の働きにも異常が発生すると考えます。

 

3つめの「脾虚」とは、いわゆる胃腸の機能が衰えている状態のことをいいます。

「脾虚」が引き起こされる要因としては、生まれつき胃腸が弱いこともありますし、暴飲暴食や過労も考えられます。

子宮内に血液をとどめておくためのエネルギーや栄養物質を、飲食物から得られないことになり、結果、出血が起こってしまうと考えます。

 

4つめの「瘀血」とは、血液の流れが非常に悪くなってしまった状態のことをいいます。

月経時や出産時において、子宮内の血液がすべて排出されずに残ったりすることや、外から来る邪気、ストレスなどによっても引き起こされます。

この場合は、古い血液が子宮にとどまっているため、新しい血液がとどまれず溢れ出てしまうと考えます。

 

 

これらの中の、どの原因によって「崩漏」が起こっているのかは、性器出血の状態や経血色などからも判断することになります。

主に出血量が多く、色の赤みが強い場合は、「熱」の要因が強いと考え、逆に、出血量が少なく、色も薄い場合は、「虚」の要因が強いと考えます。

他にも「瘀血」の要因が強い場合には、色が暗くなり、出血時に血塊を伴いやすくなります。

これらの原因の違いによって、用いる漢方処方も異なることになります。

 

また、それぞれの原因が単独で存在するのではなく、複合して、症状が形成されていることも多くあります。

 

実際の治療では、崩漏が引き起こされる原因の他にも、崩漏以外に現れている症状や、お客さまの体質も考慮して、最も適した処方を選択することになります。

 

安福直行
薬剤師
日本薬剤師研修センター認定漢方薬・生薬認定薬剤師
日本チェーンドラッグストア協会認定漢方アドバイザー
日本アンチ・ドーピング機構認定スポーツファーマシスト

 

 

【処方選択の一例】

「経血色が深紅」「突然大きな出血が現れる」「めまいやのぼせを感じる方」

温清飲

 

 

「出血量が少なく、経血色が鮮紅色」「足腰がだるい方」「手足がほてる方」

知柏地黄丸

 

 

「経血色が淡紅色」「手足が冷える方」「小便の量が多い方」

鹿茸大補湯

 

 

「経血色が淡紅色で薄い」「食欲が無い方」「貧血ぎみの方」

加味帰脾湯

 

 

「経血色が暗紫色で、出血時に血塊を伴う」「お腹を押さえると痛い方」

冠脉通塞丸

 

 

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営業時間:9時~20時 定休日なし
〒523-0061 滋賀県近江八幡市江頭町448-3 「ソムリエの薬剤師がやってるお店です。」

文:店主 安福直行

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