本日の漢方的な考え方で解説する症状は
【肥満】
こんにちは。店主の安福です。
本日の漢方的な考え方で解説する症状は、
『肥満』です。
肥満を解消するためには、必要なこととして、基本的な2つのことがあります。
摂取するカロリーを減らすための「食事制限」と、消費するカロリーを増やすための「運動」です。
食事制限や運動をすることせず、肥満解消という効果を上げるのは非常に難しいです。
漢方理論での肥満の原因は、カロリーの摂取・消費だけの問題ではないと考えますが、食事制限や運動は、肥満解消の基礎として必要なものであるとお考え下さい。
漢方理論では肥満の原因を、食事や運動だけではなく、「体質」にも問題があると考えます。
摂取した飲食物の消化・吸収・代謝を担うものとして、「脾胃」と呼ばれるものがあります。
体質的に、この脾胃が弱いと肥満になりやすいと考えられています。
脾胃は、単なる臓器としての「脾臓」や「胃」よりも、幅広い機能を有していると考え、飲食物からエネルギーや栄養物質を生み出すための、幅広い役割を担っているとしています。
また、もう一つの脾胃の主な機能として、水分の吸収・輸送機能があります。
この脾胃の働きに障害があると、飲食物を消化・吸収・代謝する機能が低下することになり、その結果、栄養を必要以上に溜め込むことになります。
また、水分の吸収・輸送にも関わっていることから、水分も体内に溜まりやすくなります。
そのため、漢方理論での肥満の解消は、脾胃の働きを良くすることを目的とします。
脾胃の働きが低下することによって、引き起こされる肥満のタイプには、大きく分けて2つのものがあります。
1つは、栄養を必要以上に溜め込むことによって引き起こされる、皮下脂肪の多いタイプです。
もう1つは、水分を溜め込みすぎた、いわゆる水太りと言われるタイプです。
実際の治療では、肥満の程度や肥満のタイプから判断するだけではなく、肥満以外に現れている他の症状や、お客さまの様々な体質なども考慮して、最も適した処方を選択することとなります。
安福直行
薬剤師
日本薬剤師研修センター認定漢方薬・生薬認定薬剤師
日本チェーンドラッグストア協会認定漢方アドバイザー
日本アンチ・ドーピング機構認定スポーツファーマシスト
【処方選択の一例】
「食欲のある方」「腹部に脂肪が多い方」「便秘がちの方」
防風通聖散
「胃腸が弱く、食が細い方」「汗をかきやすい方」「むくみの強い方」
防已黄耆湯
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文:店主 安福直行